火舎

入水孔と出水孔

シンバルレガートの叩き方

 なんとなくジャズドラムを叩けるようになりたいという欲求を昔から持っているのだけれど、それについて具体的な練習を行うということはあまりしてこなかった。吹奏楽部の時は機会も多くなかったから、なんちゃってスイングのようなものでお茶を濁していた(不真面目)

 ここ数年はドラムセットに実際触れる機会もなく、戯れに練習パッドを弄り、吹奏楽部のときによくやっていたアクセント移動*1やパラディドル*2をなんとなくなぞったり、適当に曲を流して好きにパッドを叩き散らす(ストレス解消に最適)なんてことを週に2,3回やる程度である。

 なんだけれども最近またジャズを漁っていたら熱が戻ってきたので、良い機会だと思いジャズドラムの最も基本的な軸となる「シンバルレガート」(ランタータランタータって感じのスイングっぽいジャズでよく聴くシンバルのアレ)を練習してみることにした。

 といっても習いに行くお金も気力も無いのでYoutubeで良さそうな動画を物色してみた。その中でも下の動画が面白かったので紹介してみる。

www.youtube.com

この動画では、

シンバルレガートの練習に「パラディドルディドル」を応用する方法

を紹介している。これが面白かった。ちなみにこの動画の投稿者の山部三喜男さんは、どうやらドラム講師の方のようである。他にも参考になる動画が多数投稿されていた。ありがたい。

「パラディドルディドル」とは、六連符系のルーディメンツで下の動画プレビューの左上にもあるようにRLRRLLもしくはLRLLRRを繰り返すものである。ドラムセットならば2連の部分だけ同じ太鼓で取って、後は適当にばらけさせるだけで"それっぽい"六連系のフィルインが無限に湧いてくる(いや有限だが)優れものである。

www.youtube.comこれをシンバルレガートに応用する。前提として、最初の動画のPart.1(https://www.youtube.com/watch?v=d1OWTal7lqU)でも説明しているのだが、シンバルレガートと言うものは、下の楽譜(スイングの基本パターン)のRide Cym.と描いた部分のリズムを指していることに注意しておく。

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スイングの基本パターン

ここからわかるとおり、楽譜内の最小単位は8分音符の三連符なのである。これを利用して、パラディドルディドルを応用したものが下図である。

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パラディドルディドルの応用

この練習の利点は

休符の長さを三連符単位でexactに感じられる

・自分がどれくらいのテンポまで上手く熟せるかを把握しやすい

という2点だと思われる。

 一つ目の利点が重要なのは言わずもがなだけれども、自分にとって大きいと感じたの二つ目の利点である。これが意味するところは

・あるテンポのシンバルレガートを綺麗に叩くには、そのテンポのパラディドルディドルが上手く熟せなければならない

である。言われてみれば当たり前なのだが、自分はこれがきちんとできていなかった。なので当面の目標は様々なルーディメンツ(特にパラディドルディドル)のテンポアップである。難しいけど。

 頭拍をずらして刻みの後ろ拍を意識するだけで、機械的だったルーディメンツがスイングに変わるのは刺激的だった(他にも、色々なルーディメンツを任意の部分で切って、面白いノリのループを見つけてみたい)

 しかし、自分の練習不足の致すところなのだが、リズムの感じ方を切り替えるのは言うほど簡単じゃなく、今回のくらいでも違和感なくグルーブがでるようにするのは鍛錬が必要そうである。

 以上だらだらと、少しの配慮と共に書いてみたのだけれども、ドラムについてなんも知らない人が見たら、なんのこっちゃって記事かなあとも思っている。ただ、自分はこういった、切り口を変えると、上手く違う問題に帰着されたりする話が好きなので、自分の好みを伝えようと作ったブログの記事という意味では、強ち間違ってないのではないかなあと思う。これからは、備忘録とモチベーション維持的な意味でも、こういった音楽的なTipsを書いていきたいなあと思っている。

 

*1:適当なリズムの中で強調する音符をずらしていく練習、例えば16分で1小節を埋めたリズムの中で「ザ」をアクセントとして、| ザカタカ / ザカタカ / ザカタカ / ザカタカ | タザタカ / タザタカ / タザタカ / タザタカ |・・・と移動させていく練習

*2:いわゆるルーディメンツと呼ばれるスネアの基本の手順のひとつ。「パラ」は連続した2つの音符を左右交互に叩く(RLもしくはLR)、「ディドル」は同じ手で連続した2つの音符を叩く(RRもしくはLL)という意味で、これらの織り混ざったフレーズをパラディドルと呼ぶ